平成16年度大阪府商工会女性部代表
細M 逸美さん(阪南市商工会女性部)
<女性部活動と地域振興・まちづくり 〜山動く〜>
 みなさん、『レジカゴバッグ』ってご存知ですか?
私たち阪南市商工会女性部はこの『レジカゴバッグ』の普及に今取り組んでいます。
今日はこの活動をするに至った経緯をお話したいと思います。

 先日、あるところで偶然ある旅行会社の添乗員の方とお話しする機会を得ました。
 私は質疑応答の時に以前より聞いてみたかった1つの質問をしてみました。
「日頃から多くの方々と接するお仕事ですが正直一番扱いにくい人たちってどんな方々ですか?」
「そら、おばちゃん連中ですな。」とその方。
「あ、やっぱり」と私。
「おばちゃんは文句が多いですやろ?特に大阪で言うたら泉州のおばちゃん連中ですな。」「えっ?泉州のおばちゃんですか?」
その方は私が大阪の南と書いて『阪南市』泉州の住人とご存知ないのです。
「泉州のおばちゃんのどんなとこが…?」
「第一、泉州のおばちゃんは食べ物にうるさい!海見ても喜ばん、山見ても喜ばん、上品な手のこんだ料理は、“こんなん新鮮なもんはそのままの方がおいしいでなぁ”とか文句ばっかり。唯一、喜ぶのは雪ぐらいですなぁ。」

 つまり、私たちの泉州阪南市は目の前に大阪湾が広がり後ろには和泉山脈をいただき、海の幸、山の幸豊富な、気候温暖、風光明媚な土地柄です。それはとりもなおさず、大都市郊外型の都市にありがちな、都会でもない、かといって田舎でもない、という中途半端に開発された街なのです。 
  その中で、私たち女性部は何々をしなければならないという格別な意識もないままに、これまで活動してきました。
 地域特産品も、最近ブランド化されつつある水なす、他所に一位の座を奪われた玉ねぎなども、「泉州」というひとくくりの中でのものであり、阪南市独自というものはないのです。
 しかし、私たち女性部は設立10年という時を迎えて、“何もないから何もしないで良いのか?”という意識が芽生えました。その中から出てきたのが、今ある良いものを残そう、せめて今より悪くならないようにしよう、それは海・山・大地・水、つまり【恵まれた環境】です。
 そのために私たちにできることは何か?と考えました。

  そこで目についたのが毎日の買い物でもらうビニールの《レジ袋》です。市内には大手スーパーが2店、中小スーパーが4、5店、その上にコンビニが多数存在しています。そこで毎日大量に消費されるレジ袋。それは単なる入れ物であると同時にゴミとなってしまうのです。
 私たち商工会女性部員は“二つの眼”をもっているのです。1つ目は商売人・経営者としての眼、同時に2つ目は消費者としての立場です。
 まず、1つ目の経営者としては、このレジ袋の存在です。ある中堅スーパーの経営者の方にお伺いしたところ、年間約2500万枚のレジ袋を調達し、かかる費用は5000万円、1枚約2.5円前後、売上に占める比率は約1%にものぼるとのことです。それを無料配布していくのは、このご時世ばかにならないとのことでした。できればこの経費をなんとかできないだろうか。

 2つ目の消費者としての立場とすれば、タダでもらえるこのレジ袋。ゴミ袋としてみなさんお使いになっている方が多いと思いますが、それが大量のゴミとなって有毒ガスなどの問題になっているのも現実です。
 そこで私たちは、そのレジ袋の削減に役立つ『レジカゴバッグ』に目をとめました。
 すでに、これは取り組まれている女性部の方々も多いと思いますが、このレジカゴバッグの特長は、バッグをレジに直接もっていき、精算時に空のレジカゴにセットし、その中にレジのお姉さんが精算を終わった商品を芸術的にいれてくださいます。それを詰め替える手間なしに、そのまま持って帰るだけというものです。
  これによってビニールレジ袋の減量、詰め替える時間の節約につながります。これは特に幼い子供を連れたお母さん方には好評なのです。レジカゴからレジ袋に詰め替える時に、子供たちがウロウロして困るということもなく、便利とのことです。

 その上最近では、各スーパーも買い物袋持参に積極的に取り組まれ、ポイントカードの発行やスタンプでの特典などを推進されています。またこのレジカゴバッグ、買い物袋として以外の使用方法もたくさんあるのです。
 私たちはこのレジカゴバッグの普及のために、まず無料で配布することにしました。

 毎年行われる商工まつり・市民まつりなどの中で、女性部の事業として定着させることから始めました。しかし、単に無料で配布するということでは、「あまりにも環境問題としての意識づけが薄いので意味がない」、「ペットボトルとの交換をしてはどうだろうか?」という意見がでてきたのです。空ペットボトル10本とこのレジカゴバッグを交換するというものです。この空ペットボトル、幸いにも商工会青年部員の中にペットボトルのリサイクル事業をされている方がおられ、引き取ってくださるように交渉しました。リサイクルされたペットボトルはカラフルな玉砂利や線路の敷石などに変身するそうです。

  こうしてレジカゴバッグは現在まで200枚程を配布しました。
 イベントの当日、ペットボトルをかかえた方々が多数並んでくださり、予定のレジカゴバッグは、あっという間に配布を終了しました。
 今後は部員自身が使うことによって普及させるとともに、部員1人1人の意識の向上につながっていくようにしていきたいと思います。また部員の商売とも結ぶような特典、例えば(レジカゴバッグ持参の方に割引)や(地域のスタンプ活動との連携)も今後の課題として考えていきたいと思います。

 最後に、私たち泉州が生んだ 偉大な女流歌人・与謝野晶子氏が残した詩をご紹介したいと思います。
山の動く日
山の動く日 来(きた)る
かく云へども人 われを信ぜじ
山は 姑(しばら)く 眠りしのみ
その昔に於て
山は皆 火に燃えて動きしものを
されど、 そは 信ぜずともよし
人よ、ああ、 唯これを信ぜよ
すべて 眠りし女(おなご) 今ぞ目覚めて動くなる
 
 私たちの活動は砂の一粒を置くようなものですが、それがやがて、先人の女性たちが願った「山動く」の思いとして実現することを夢みて嘆かず、倦まず、たゆまず、活動を地道に続けていきたいと思います。
ご静聴ありがとうございました。
 
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