平成15年度大阪府商工会女性部代表
藤原 法子さん(岬町商工会女性部)
<女性部活動と地域振興・まちづくり 〜感動という宝島を探して〜>
    ただいま、ご紹介いただきました 岬町商工会女性部の藤原法子でございます。
    私たちが住む岬町は、大阪府の最南端に位置する、人口約2万人の小さな町です。農業と漁業、そして商業の町です。美しい自然に恵まれ、人情豊かな住みよい町です。そんな素晴らしい環境の中で、私たち岬町女性部は活動を続けています。
     平成2年7月に、岬町商工会女性部は、部員数35人で発足しました。女性部に入って、家族のこと、商売のことなど、いろんな相談ができる仲のいい友人がたくさんできました。
おかげさまで、辛いことや、いやなことにであっても、彼女たちに相談すれば、「よし、また頑張ろう」という気力が生まれてきます。

    そんな中、私たち女性部は、「町おこし」を、主要テーマとして、今まで以上に積極的に活動しようということになりました。
具体的に、いくつかの企画が提案されました。
岬町全体をきれいな花で、いっぱいにする運動とか岬町の特産物を開発しようとか、私たちが、力を合わせて頑張れば、何とか実現できそうなさまざまな案が出されました。
    最終的に、岬町の特産物を作り出すのが「町おこし」のテーマにもっともふさわしく楽しそうな企画だということで話がまとまりました。

    そこで、なにを特産物としてとりあげるかを、話し合いました。 岬町には、これまでの産物は、「泉州たまねぎ」や、「泉州水ナス」、深日沿岸でとれる「深日のタコ」といったものだけでした。部員の一人から、「どこにもないような岬町独自の味をもった寒天を、みんなで、工夫して、岬町の特産物として売り出したらどうでしょう」と提案がありました。
他の部員も、「それはいい特産物になると思う」と全員が賛同しました。

    ところで、皆さん、寒天は、何でできているか ご存知ですか
そう海草の「天草」です。
岬町の海岸一帯は、早春から初夏にかけて、天草が豊富にとれます。波の高い日や、春の嵐のあとでは、浜辺に大量の天草が打ち上げられます。
女性部員たちが、この天草を拾い集め、個々に家に持ち帰り、ごみを取りながら、真水にさらし日に干し、さらにその作業の繰り返しで、一ヵ月かかって、褐色の天草が、透明で白くなり、寒天が作れる状態となります。
    4月、5月に吹く浜風は、冷たく、しばらく天草を集めていると、体中が、冷えきってしまいます。でも、集めたあと、わいわい言いながら楽しく、持ち寄ったおかずを浜辺で、分け合って食べるお弁当は、寒さを忘れさせてくれます。

    昭和63年から16年間も続いています岬町商工会主催のいきいきフェア、岬町商工会青年部主催のつつじフェスティバル、また、岬町主催の敬老大会に、地域振興の一助に繋がることを願い、私達女性部は、この寒天を出品して、協賛しています。
これらのイベントの前日から、さきほどもお話した「てんぐさ」を水で30分間煮とかし、布でこします。
好みで、白砂糖、黒砂糖、コーヒーの粉、缶詰の果物をいれます。そして、あら熱をとってから、冷蔵庫で冷やします。 大量に作るので一日がかりです。味付けなしでつくると、2杯酢でたべれば、女性にとって、自然のダイエット食品にもなります。

さらに、山菜ごはん、ブタ汁もそれぞれを、300食ぐらい作ります。 部員の半数以上が、参加しても、前日から、当日も早朝から初めても、てんてこまい座るひまもありません。
うれしいことに、どのイベントでも、この寒天も、他のものも、いつも販売と同時に、売り切れ状態になります。このとき、準備のつらさや忙しさも吹き飛んでしまいます。 地域振興や町おこしのために行う、これらのイベントの集客の一助となり、女性部のとぼしい財源にも、貢献しているとの自信を持っているからこそ、私をふくめた参加している部員は、一丸となって楽しんでおります。

    また、一つ、スーパーのビニール袋を、使わなくてもいいように、環境にやさしい買い物袋を作成販売しようという提案もだされました。 布には、岬町の観光イラストマップをコーティングしたらどうだろうかとの案も出されました。
こんな楽しい企画会議を経て、実際にみんなの案を取り入れた製品を作りました。 みんなが期待したものが出来上がり、サンプルの買い物袋を手にとったとき、私も含めたほとんどの部員は興奮を隠しきれませんでした。
さらにこのマップの布で、エプロンやペンシルケースを作って販売したらどうだろうという提案もなされ、それらも製品にしました。 これらすべてが、岬町のPRになり、「町おこしの一歩となるのではないか」と大きな期待を抱きながら、みんなで製作したものでした。

    ところが、期待に反して、それらの製品は、いろんなイベント会場で販売しても、あまり売れませんでした。私たちは、反省会を持ちました。
そして、たどりついた結論は、商品化を急いだあまり、一番大事な、お客のニーズを考えず、商品マーケティングも不十分だったということでした。 そのうえ、イラストマップにあらわされている施設の増減があり、マップ自体の変更も必要になってきました。

    結局、このプロジェクトは、失敗だったと認めざる得ませんでした。しかし、そんな経験の中で学んだ大きなことは、第一には、どんな難しいことでも、仲間と知恵をだしあって取り組めば、それは、以外にも簡単に解決され、結果としては、私たち一人では体験できないような喜びと感動を得ることができるということでした。 第二には、ものを作り、販売しようとするときは、必ず、それを買っていただく人の立場に立ってお客のニーズにあったものを提供することが大切であるということを再認識したことでした。
    部員一人一人が、物づくりと、その販売に対する大きな喜びと自信をもたらしただけでなく各自の商売の垣根をこえた異業種交流の一歩となりました。 私たち、岬町商工会女性部は、時には、後退するときもありましたが、牛歩の歩みで、一歩一歩前進しています。

    新しい部員も加わっています。若く、新鮮なアイデアを、どんどんだしてもらい、女性部全員で新しい企画に取り組みたいと考え、平成14年から女性部にアイデア企画委員会を設置しました。
この委員会は、隔月1回集まり、今後の町おこしにつながる勉強会を行っています。 私は、生きることの意味は、感動を味わうことであり、大げさに言えば、人生は、感動という宝島を探す旅だと思います。

    私たち岬町商工会女性部は、感動という宝島を探して、今日も新たな「町おこしの企画」を、考え続けています。 なにごとも、挑戦、自信をもっていきたいと思います。
ご静聴、ありがとうございました。
 
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